掃除してたらパソコン埋もれて開けなくなってました。掘り出すのも面倒だし。っていうか、片づけ中のままファミレスに逃げ出して本読んでる自分はなんとかわいいやつなのかと思ったり思わなかったり(笑)

図書館戦争

うわー、久しぶりに滅茶苦茶はまりましたよ。この本、人権擁護法案を痛烈に批判してるんですけど、そのやり方というか設定が秀逸。物語として凄く面白い。
舞台は近未来。「メディア良化法」(これが人権擁護法)の検閲権に対抗すべく成立された「図書館の自由法」に従い、自由な表現の最後の砦として軍事力を有しあまつさえ地方分権の一翼をも担っているのが本作品中の「図書館」。「良化委員会」との抗争のため、時として自衛隊以上に危険でハードな「図書館防衛員」に自ら志願する22歳の女の子が主人公です。
なぜ図書館なのかってのは実際に読んでいただくとして、軍事力を持つ図書館っていうトンでも設定の中で淡々と進んでいく話が、まじめであればあるだけ妙に笑いを誘います。都立水商(おみずしょう)!と似た感じのストーリー展開ですかね。かといって、ヒロインが防衛員を目指すきっかけとなるエピソードの下りでは思わず涙腺が緩んだり、基本的に作者の力量が高いのでしょう。
自分は正直、人権擁護法案に反対とはいえ、自ら進んで運動したいとも思ってないヘタレな人間です。実際そういう人は多いんじゃないかと思いますけど、まあ他人事にしていては駄目なのかなとはほんの少し考えさせられました。でもそんな小難しいことより、主人公の成長やら恋やら銃撃戦やらの話がとても面白いので、興味をもたれた方には是非エンターテイメントとして読んでみて欲しいですね。いや、オチも予想通りなんだけど素晴らしい。最高です!