制約理論を読みほどく - ITmedia エンタープライズ

私も制約理論はかじっただけなので偉そうなことはいえないのだけれど、この記事は何を言ってるのか全然解りません。このような方法論について説明する場合、

  1. 解決困難な課題があって
  2. それを解決するための方法論を紹介し
  3. それによって課題がどのように解決されるかを示す

という過程を踏んでいないとその方法論に対する説得力が全く生まれないのではないでしょうか。この記事では「課題」の認識が曖昧なために脈絡の無い文章になってしまっています。筆者が一生懸命勉強しましたよと言う以上の主張が見えません。
制約理論の根っこはそれほど難しいものなのかなと個人的には思います。

  1. 制約理論の課題は価値の最大化である。その価値とはキャッシュのことである。*1
  2. そのために以下の方策を採る
    1. ボトルネックのプロセスにリソースをつぎ込む
    2. ボトルネックでないプロセスでは余計な仕事をさせない
  3. それによって以下の成果を得る
    1. 必要なリソースだけの追加で済むようになる(例:人件費ダウン)
    2. ボトルネックでないプロセスのだぶつきを抑える(例:仕掛品在庫軽減)

この記事の筆者は私なんかよりよほどよく勉強している方だなあと思うのですけど、目的意識の無い勉強屋さんにありがちなところに陥ってしまっているように個人的には思えてしまいます。

*1:スループット会計というのは、ぶっちゃけ現金をふやしましょうという計算方法です。でも、会計になじみの無い人(減価償却費のなんたるかを知らない人とか)だと、ここの部分がぴんと来ないでしょう。そんなのあたりまえじゃん、で済んでしまう。