免税事業者ってなんだ?

弊社の会計システムはこれです。開業時の一時的な支出を除いてはそんなに伝票も出ないので、当面はこれで充分なのですけれど、消費税の扱いってのがどうすればいいのかよくわかりませんでした。昔どこかで消費税についての処理を習ったときは


消耗品費  2,000/ 現金 2,100
仮払消費税 100
のような仕訳をしていた記憶があるのですが、この日記帳だとそれをどう表現すればいいのか分かりません。でも、よく見ると各経費勘定の横に課税区分というのが書いてあります。租税公課は0で支払手数料や消耗品費などは5となっていたりするので、これで勘定ごとに課税対象の区分をして、あとで会計事務所がシステムに一括入力して勝手に計算してくれるというわけですね。
ところで弊社は資本金200万円の超零細企業なので、当面は消費税の免税事業者です*1。ここで更に疑問が2つ。

  1. 免税事業者の場合の消費税仕訳方法は?
  2. 免税事業者って売上に消費税乗せられないの?


まず1について、会計事務所に頼んでいたり自分で会計システムに入力したりしている場合には、システムの設定を免税事業者にしておけば後は自動的に処理してくれます。では、自分で仕訳帳などをしこしこ書いていたり、Excelで自作マクロを組んでいる場合にはどのように処理すればよいのでしょう。結論としては会計事務所に任せている場合と同様、消費税について気にしなければ良いだけです。上の例で行くと


消耗品費 2,100 / 現金 2,100
という風にシンプルに仕訳をしてしまえばよいのです。消費税の納付と言うのは、後でまとめて仮払消費税や仮受消費税の勘定を集計して、そこから差し引きして計算します。免税事業者の場合、その計算をする必要が無いので、仮受消費税という勘定を用意する必要もなくなるわけです。
次に2について、消費税を納付する必要が無い免税事業者の場合、お客さんへの請求書で消費税を上乗せしてはいけないのでしょうか?応えはNo!、免税事業者でも必ず請求に消費税は乗せるべきです。例えば

年間の売上1050万(うち消費税50万)
年間の経費420万(うち消費税20万)
と言うケースについて、(1)課税事業者(2)消費税を請求しない免税事業者および(3)消費税を請求する免税事業者のそれぞれの収支を考えて見ます。
(1)まずは課税事業者の場合

受取った消費税=50万
支払った消費税=20万
納付する消費税=30万
差引き=収入50万-支出(20万+30万)=0
となります。次に
(2)免税事業者が消費税を請求しなかった場合

受取った消費税=0
支払った消費税=20万
納付する消費税=0(免税なので)
差引き=収入0-支出20万=-20万
となり、課税事業者と比べて支出が20万の大損です。売上だけでなく仕入にかかる消費税も考慮しなければなりません。免税事業者とはいえものを買うときには消費税を払っているので、その分は売上時に元を取らないといけません。ということで、
(3)免税事業者が消費税を請求すると

受取った消費税=50万
支払った消費税=20万
納付する消費税=0(免税なので)
差引き=収入50万-支出20万=30万
となり、ようやく免税事業者としての恩恵を受けることができます。これは個人事業主についても同じ理屈です。たまに消費税を考慮していない請求書を見かけることがありますが、今後は注意した方が良いでしょう。
といったことを調べているうちに今日は一日過ぎてしまったので、結局伝票整理終わらず・・・明日こそ何とかしないと(- -;

*1:資本金1000万以下だと、原則2年間は免税事業者となります。